睡眠物質について 2
フランスの心理学者アンリ・ピエロンは、10日以上眠らせないでおいたイヌの脳脊髄液を取り出して、別の正常なイヌの脳室に入れてみました。
するとそのイヌは徐々に反応が鈍くなって、それから数時間のあいだ眠り続けてしまったのです。
ピエロンはこの実験から、羽毛 フトンで眠らせなかったイヌの脳脊髄液の中に眠りを引き起こす物質「ヒプノトキシン」がたまったのだ、と考えました。
それから30年ほどして、有機化学の分離法の進歩とともにこの問題は再び注目されています。
これまでに催眠効果を持った物質は、睡眠ペプチド、ムラミルペプチド、プロスタグランディンD2など20種類以上も報告されています。
「ヒプノトキシン」も簡単な構造のペプチド(2つ以上のアミノ酸が結合した化合物)であることが、スイスのマルセル・モニエ教授らの手で突き止められています。
モニエ教授たちはウサギの脳を電気刺激で眠らせ、こうして眠ったウサギの血液の中から強力な催眠効果を持つ物質を見つけました。